最終更新: 20 Feb 2024 | 789 ビューアー |
LGBTQ+とは?みなさんそれぞれの文字が何を意味するか説明できますか?
L: Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
G: Gay(ゲイ、男性同性愛者)
B: Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)
T: Transgender(トランスジェンダー、心と体の性別が異なる人)
Q: Questioning(クエスチャニング、自身の性自認や性的指向が定まっていない状態にある人や、 あえて決めない人) &Queer( クイア、性的マイノリティを包括して捉える語)
+: そのほか枠にとらわれない様々なセクシュアリティ
上記の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称です。
このLGBTQ+に対する考え方について、オーストラリアは非常に理解がある国だと感じます。
近年は日本でも少しずつ理解が深まってきている傾向にありますが、まだまだ差別や偏見が消えず、性的マイノリティを抱えて悩んでいる方が多いのが事実です。日本に限らず、理解度が凄まじく低い国も多く存在します。
では世界的に見てもLGBTQ+への理解が高い国のひとつオーストラリアは、何がどうLGBTQ+フレンドリーなのか?具体的な風習や文化、取り組み等を紹介します。
1. LGBTQ+であることをオープンにしている
100%の方がこうであるとは限りませんが、オーストラリアに来て多くのLGBTQ+の方と出会い感じたこと。みなさん自分の性について普通に話します。“カミングアウト”というよりもそもそも秘密にしていないからカミングアウトも何もない。そんな感覚です。
これ、例えば新しい職場のマネージャーが自己紹介をしてくれた際の事。
「こんにちは、私の名前はOOOです。ここのマネージャーで、主にフロアとバーのマネジメントを担当しています。好きなことは音楽と映画かな。あ、ちなみに僕はゲイです。それではよろしくね。」
このような感じで初対面で普通にゲイであることを紹介してくれました。
また、友人同士の会話で驚いたのが、
「あなたの恋愛対象って男性?女性?」
「んーと。どっちもだね!」
それぞれ友人同士の関係性にもよりますが、包み隠さず尋ねるし答えるし、カジュアルに話します。
2.LGBTQ+を寛容に受け入れる
さてなぜLGBTQ+であることをオープンにできるのか。それは性的マイノリティではない方もLGBTQ+の方に対して偏見等持たずにフレンドリーに受け入れ、そもそもどんな性を持っていようが関係なく「人」として相手としっかり向き合う風習があるからでしょう。
そのルーツはどこからきているのか?
オーストラリアは様々な国籍の方が集まった多国籍文化であることが大きく影響しています。
一括りでいうと、先住民のアボリジニ以外はみんなオーストラリアの外から来ている移民です。そのため肌や髪の毛、目の色など容姿も違えば、意見や価値観も人それぞれ違います。
自分と他人が違うことが当たり前であり、それぞれ助け合って生きていく文化があります。
同じような意見を持つ集団で群れるというよりも、様々なバックグラウンドや価値観、意見を持つ多様性のある人と関係性を築いているというイメージです。このような考えが、性に対しても多様性を受け入れる文化を生み出しているのだと考えられます。
3.LGBTQ+の権利
実はオーストラリアが今のようなLGBTQ+フレンドリーな国になったのはここ数十年のこと。オーストラリアでは長い間、同性愛行為が犯罪とされていました。
しかし1970 年代以降、同性愛行為の非犯罪化が各州等で進められ、その後2013年に性差別に関わる法律が改正され、性的指向等に関わる差別が禁止されました。これによりLGBTQ+全ての方の権利が保護されるようになりました。
更に2017年には同性婚が合法化されました。
この法律が改定されたのは現在2024年よりわずか7年前のこと。法改正の大きな一歩となったのは、同性愛者が犯罪者扱いされていた約45年前のことです。
現在では世界最大のLGBTQ+の祭典となったマルディグラ(MARDI GRAS)が初めて開催された1978 年。イベントでは同性愛者や彼らを支援する人々がパレードを行ったのですが、なんと警察が介入し てパレードに参加した多くの方が逮捕されることとなっ たのです。そして逮捕された全員の名前や住所が新聞に掲載され たことで、その人々は失業したり、借家を追い出されたりなど酷い扱いを受けることになってしまいました。
このようなことをキッカケに、LGBTQ+の方が多く存在していることや彼らが持つ悩み、考え方に対する理解が深まっていき、同性結婚の賛成派と反対派が議論を重ねてやっと法改正に至ったのです。
それ以降、毎年何千組ものLGBTQIA+カップルがオーストラリアで結婚式を挙げています。
外国籍の方でオーストラリアに在住している方の中にはパートナービザを申請する方が多くいらっしゃいますが、この法律に則り、同性カップルでも異性カップル同様にパートナービザの発行が認められています。
4.LGBTQ+の盛大なイベント
オーストラリアでは毎年、性的マイノリティの認知向上のためのイベントが開催されています。
最も有名なイベントが、1978年から開催されているMARDI GRAS(https://www.mardigras.org.au/) で、毎年シドニーで開催される世界最大のLGBTQ+イベントです。
単なるパレードではなく、1ヶ月に及ぶお祭りとなっていて、毎年2月はシドニーが100以上の・MARDI GRASに関連するイベントで活気づきます。映画祭や演劇、ミュージカル作品、クィア・コミュニティにとって重要な問題についてのパネルディスカッション、さらにはマルディグラをテーマにしたスポーツ大会まで開催されます。
シドニーだけではありません。私たちの拠点メルボルンでも最大22日間にわたって芸術と文化が繰り広げられるMidsumma Festival(https://www.midsumma.org.au/)
が毎年開催されます。この期間でなんと合計200種類近くのイベントが催されます!
ニューサウスウェールズ州北部のリズモアでは、LGBTQIA+の非営利団体であるトロピカルフルーツ(https://tropicalfruits.org.au/)が活動していて、この団体が主催する大晦日のフェスティバルには、オーストラリア中からクィアが集まります。その他にも年間を通して様々なイベントが開催されています
西オーストラリア州では、急成長を遂げているプライド・フェスト(https://www.moretonbaypridefest.com.au/)が毎年11月に開催され、パースとその周辺でパレードやマーケット等を含む数十のイベントが開催されます。
ブリスベン・プライド(https://www.brisbanepride.org.au/home)が毎年主催するイベントには、華やかなクイーンズ・ボールというものがあり、クイーンズ・ボールは、同性愛がまだ犯罪とされていた1960年代に、ゴールド・コーストの内陸部にあるタンボリン・マウンテンで開催されたのが始まりで、この種のイベントとしては世界で最も長く続いているそうです。
上記の他にもダーウィンやアデレードでも毎年LGBTQ+の方や彼ら彼女らを支持する方のイベントが地域社会の協力のもと開催されています。
また、現在は多くの有名な会社がイベントとスポンサーシップを結んで、支援しています。
それだけオーストラリアがLGBTQ+フレンドリーな国であるということですね。
5.LGBTQ+の方向けのバーやクラブ
イベントだけではなく、LGBTQ+の方向けのバーやクラブ等の施設が存在し、LGBTQ+の人々が集まる地域もあります。
どんな雰囲気なのか?
LGBTQ+の方向けのバーやクラブでのウェブサイトをみていただくとわかると思います。
有名どころでいうと、
シドニーだと
The Imperial Erskineville(https://imperialerskineville.com.au/)やThe ImpUniversal Sydney(https://www.universal.sydney/)など。
メルボルンでは
Yah Yah's(https://yahyahs.com.au/)やMollie's Bar and Diner(https://www.molliesbaranddiner.com.au/)
などなどです。
これだけ充実した施設があると、素敵な出会いもありそうですね✨
日本で暮らしているとなかなか味わうことのできない非日常空間となっていて、もちろんこれらの施設はLGBTQ+ではない方でも楽しめます。
最後に
オーストラリアがLGBTQ+フレンドリーであることを少しでも知っていただけましたか?
もし現在、あなたや周りの方がLGBTQ+で悩んでいたり生きづらさを感じていたりしているのであれば、一度LGBTQ+フレンドリーな国オーストラリアに足を踏み入れることで肩の力が抜けるかもしれません。
私たちVSOのカウンセラーは、LGBTQ+の方々を理解し、支援するアライ(Ally)です。
少しでもオーストラリアに興味がある。VSOのカウンセラーと話してみたいと思った方、ご気軽に相談ください。
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